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古橋 一郎*; 若井 隆純
PNC TN9410 95-080, 84 Pages, 1995/02
FBR構造物の破壊力学解析手法整備の一環として、破壊力学パラメータ解析コードCANIS-J(2D)の改良を行つた。(1)2時点間の応力範囲を用いた、12時点問の応力拡大係数範囲Kの計算評価機能の追加(2)2時点間の応力範囲、ひずみ範囲および変位範囲uを用いた、2時点間のJ積分およびJhat積分の計算評価機能の追加。(3)J(J)およびJhat(Jhat)計算式の積分各項毎の計算評価機能の追加。(4)以下の3つの計算モードを1ジョプで計算実行する機能の追加。・モード0任意時点のK、J、Jhat計算・モード1任意の2時点間のK、J、Jhat計算・モード2任意の連続2時点間のクリープJ積分(J、Jhat)計算特に今回機能追加されたK、J、Jhat計算機能を確認しその適用例を示すために、ATTF環状き裂付き試験体の熱疲労き裂進展試験の破壊力学解析およびき裂進展シミュレーションを行い、以下の結果を得た。(1)熱弾性および熱弾塑性応力場では、J(J)は経路独立性が成立せず、解析評価が困難であり、適用できない。これはJ積分が、弾性応力場で定装されたことによる。(2)Jhat(Jhat)は熱弾性および熱弾塑性応力場でも経路独立性が成立し、解析評価が可能であり、適用可能性が大きい。これはJhat積分が、より一般的な応力場で定義されたことによる。(3)Jhat、熱弾性K、き裂先端近傍の応力(ひずみ)範囲、き裂断面リガメントの正味(曲げ)応力範囲Sn、これらは共通の2時点問でほぼ最大値をとる。(4)Jhatを用いたき裂進展シミェレーションは試験結果に良く対応している。(5)これらの解析結果から、複雑な熱弾塑性荷重サイクルを受けるき裂付き構造物の破壊力学解析および評価において、Jhat(Jhat)が、き裂先端領域の応力(範囲)、ひずみ(範囲)、リガメントの正味断面応力(範囲)およびき裂進展カなどの力学情報を代表する単一の破壊カ学パラメータとして有力であることが示された。
古橋 一郎*; 若井 隆純*
PNC TN9410 94-201, 301 Pages, 1994/04
FBR構造物の破壊力学的評価のため、簡易法き裂解析コード体系CANISの開発改良を行った。同体系はCANIS-G,K,Iからなる。クリープ疲労き裂進展評価コードCANIS-Gでは以下の改良を行った。1.1 平板および内面き裂付きの円筒に加え、外面き裂付きの円筒も取り扱えるようにした。1.2 円筒の軸曲げモメント荷重も取り扱えるようにした。1.3 熱過渡荷重等の変位制御型荷重を容易に取り扱えるようにした。1.4 これらを容易にするため、正味断面形状関数と応力拡大係数解のライブラリを拡張整備した。1.5 材料データライブラリを拡張整備した。PNCが取得した7鋼種の弾塑性応力ひずみ関係式、クリープひずみ式、クリープ破断式および疲労破損特性をライブラリ化した。1.6 現在から過去に向かって時間積分し、過去のき裂形状を逆算する逆方向解析機能を追加した。また新たに破壊力学パラメータ評価コードCANIS-Kとき裂発生確率評価コードCANIS-Iを開発した。CANIS-Kは以下を行う。2.1 入力されたき裂形状に対して、応力拡大係数K、J積分値、クリープJ積分値等の破壊力学パラメータ計算結果の詳細(過渡事象内の時刻歴、最大値、最小値など)を出力する。2.2 き裂進展速度、開口面積および漏洩量を計算出力する。CANIS-Iは以下を行う。3.1 き裂無し断面の時間依存の疲労損傷値およびクリープ損傷値を計算評価する。3.2 疲労き裂発生に対応した疲労損傷値の統計分布関数およびクリープき裂発生に対応したクリープ損傷値の統計分布関数を参照し、時間依存のき裂発生確率を計算評価する。これらCANIS-G、K、Iでは入力データフォーマットおよび使用サブルーチンの共通化が図られ、将来のコードの改定拡張が容易かつ統一的に行えるようにした。CANISは以下の領域で有力な計算コードであり、その利用が期待される。4.1 き裂付き構造物の余寿命評価。き裂無し構造物のき裂発生時期の予測。4.2 プラントの破壊力学的信頼性評価および最適構造設計。4.3 プラントの最適運転計画および最適補修計画の立案。4.4 各種破壊力学試験の試験条件および試験片形状の最適設計。4.5 各種破損事故のシミュレーション。き裂発生時期あるいは負荷荷重の逆算推定。本報告はCANISコードの数学力学モデル、使用マニュアルおよび解析例を